『あきない世傳 金と銀』第二巻は物語が大きく動き出します。
事件の数々に280頁が一瞬にして過ぎていくことでしょう。
一巻を読んだ人であれば、強くお勧めしたい作品になっています!!
頑張れ徳兵衛!頑張れ幸!
どんな小説家?
高田郁 兵庫県宝塚市生まれ。中央大学法学部卒。1993年、集英社レディスコミック誌『YOU』にて漫画原作者としてデビュー。2008年、小説家としてデビューする。著書に「みをつくし料理帖」シリーズ、『出世花』などがある。
『あきない世傳 金と銀 源流編』著者紹介文より
近年を代表する時代小説家です。映像化作品も大ヒットした『みをつくし料理帖』は読書好きの皆さんであれば知っている人も多いことでしょう。
本書『あきない世傳 金と銀』も非常に魅力的な作品になっています!なんといっても毎度終わり方が良くて、続きが読みたくなってしまうのですよね。
さて、それではさっそく本書の内容に入っていきたいと思います!
概要
四代目徳兵衛の放蕩によって、危機に瀕する五鈴屋。
復活の一手として、番頭・治兵衛が提案したのは「幸を四代目徳兵衛の後添い」にすることだった。
鍋の底を磨き続けると評される「女衆」から、「御寮さん」として店の看板を背負う存在になることは夢のような話に見えるが、実情はそんな生易しい話ではなかった。
五鈴屋、そして幸の運命が大きく動き出す第二巻。その未来に一筋の光が差し込む。
小説の魅力
・一巻を読んだのであれば、とにかく読むべし
ど頭から個人的な感想をいうと、一巻より二巻のほうがもっと面白いです!
何だかここからどうなっていくのだろうかと、一巻の時よりも前向きな気持ちで読み進めることが出来ます。
最初自分が思い描いていたストーリーとは予想を裏切られるものでしたが、それもまたよかったです。いい意味での裏切りは、読者をより惹き込んでいくものですからね。
さて、本書の魅力をしっかりと書いていくと、
まずは、「幸の嫁入り」が本書の大きなテーマとなっていきます。
女衆という身分ながら才知に富む幸がどのような道を選択していくのか、ここが一つのテーマです。
運命に翻弄されるのか、運命を切り開いていくのか、
わずか十四にして自立した考えをもち、持ち前の才知と一人前の度胸をもつ彼女には本当に感激しっぱなしです。
そして、本書における最も大きなテーマは、
五鈴屋と徳兵衛をどう建て直していくのかではないでしょうか。
店主と店は一心同体です。幾ら店主を支える人間が優秀でも、本人が真っ当でないのであれば、周りの人間は離れていきます。
一巻では、四代目徳兵衛の破滅的な放蕩ぶりに呆れる読者ですが、
二巻で彼がどう変わっていくのか、ぜひ見届けてください。
四代目徳兵衛の生き方も本書の魅力といっていいでしょう。
きっと読み終えたときには大きな驚きが待っているはずです!
まとめ
『あきない世傳 金と銀』第二巻は、一巻よりも希望のある展開で、これからの五鈴屋の発展に期待の持てる内容となっています。
自分は四代目徳兵衛結構好きです。あくまで小説内のキャラクターだからでしょうね笑
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