信長の棺 加藤廣-信長の死体は何処へ?-

時代小説

戦国の寵児・織田信長。彼にまつわる逸話は数えきれないほどあるが、一方で、未だに謎とされていることも多い。なぜ桶狭間で今川義元を討ち取ることが出来たのか?なぜ本能寺の変を起きたのか?

本作ではそのうちの一つ「織田信長の死体は何処へ消えたのか?」この謎に迫っていくことになります。物語の主人公は『信長公記』を記し、歴史家として著名な太田牛一です。

大ベストセラーとなった戦国ミステリー、信長ファン必読の一冊です!

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どんな小説家?

加藤廣(1930-2018)
東京都生まれ。東京大学卒業。
山一証券に勤務後、経済研究所顧問や大阪経済大学で客員教授も務める。
2005年、『信長の棺』で75歳にして小説家デビューを果たし、同小説は、発行部数250万部の大ベストセラーとなる。

経済畑の出身であり、本作前まではお金や経済に関する本を中心に著作されていました。そこから75歳にして初めて小説を執筆したのですから、チャレンジ精神が素晴らしいですよね。結果的に、『信長の棺』は大ベストセラーとなり、一躍話題となりました。

概要

本能寺の変が起きる前、太田牛一は織田信長から密命を授かっていた。安土から柴田勝家のもとに向かった牛一だったが、道中で佐久間盛政の一団に捕らえられてしまう。

囚われの身となった牛一の身を救い出したのは、前田利家の配下であり、その後、牛一は賤ケ岳の戦いに勝利を収めた羽柴秀吉の配下として働くことになる。

秀吉の配下となってからも、牛一は信長の死体は何処へ消えたのか?その謎を問いつづける。迷宮入りかと思われた展開に光が差したのは名前の無い一人の女性との出会いだった。

おすすめしたい人

・信長ファンへ
織田信長の死の謎に興味がある人であれば、本作はきっと楽しめることでしょう。しかし、主人公である太田牛一は織田信長の配下であり、彼の信奉者といっていいほどですから、信長ファンであれば、より本作のことを楽しめるのではないでしょうか。

小説の魅力

・斬新な解
まずは、信長の死体は何処へ消えたのか?という最終的な答えが斬新で面白いと感じました。結局、謎のままだったというオチではなく、作者ならではの答えを用意してくれているので、読者の気持ちのいい読後感に繋がるのではないでしょうか

・太田牛一の物語
「信長の死体」というテーマもさることながら、太田牛一という名前だけは知っていると言ったような登場人物を主人公に据えて、物語を展開していることも一つの魅力です。

牛一自体は、織田信長・羽柴秀吉・徳川家康の三英傑に対して献本を行っていることから、歴史家・伝記家として非常に優秀な人物であったことが推察されます。一方で、本人の歴史については、知らない人のほうが多いはずです。(自分もよく知りませんでした)

彼が長い人生をかけて「信長の死体」に辿り着くまでの物語自体、転機に富んでいて面白いです。歴史家・伝記家として、時に喜び、時に苦悩する太田牛一が魅力的に感じる人も多いのではないでしょうか。

まとめ

『信長の棺』は信長の死体が何処へ消えたのか?というテーマの引きの強さもさることながら、太田牛一という主人公、75歳のデビュー作といった点でも読んでみようと思わせるだけの要因があります。

「信長の死体は何処へ消えたのか?」あなたならどう思いますか?

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