早雲の軍配者 富樫倫太郎-軍配者の青春-

時代小説

これはとんでもないほど面白い!!続編が手元にないと疼くことになると思います。

見どころが多く、読む手が止まらないこと間違いなしです。

軍配者として戦を動かしていくシーンも見所ではありますが、やはり本作の最たる魅力はキャラクターが立ちまくっていることです!!

彼らの会話文を読んでいるだけでもワクワクするんですよね!!

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どんな小説家?

富樫倫太郎 1961年、北海道生まれ。98年に第四回歴史群像大賞を受賞した『修羅の跫』でデビュー。「陰陽寮」シリーズや「妖説源氏物語」シリーズなどの伝奇小説、『蟻地獄』『堂島物語』などの時代・歴史小説、警察小説『SRO 警視庁広域捜査専任特別調査室』など、幅広いジャンルで活躍している。

『早雲の軍配者』著者紹介文より

初読みの作家さんなんですが、ご覧のとおり幅広いジャンルの作品を書かれているようですね。執筆ペースが早く多作なのですが、小説家デビューまでの15年間に60回以上落選し続けた。という下積みがあってこそのものなのかもしれませんね。

小説家になりたいのであれば、書き続けることも必要ですがそれを実際に15年間で60回以上という形でやり遂げたことには脱帽ですね。

概要

風間小太郎は、隠密働きを生業としている風間党の頭領の息子であったが、父と母は死に今は農作業をして生計をたてている。齢は、十三。妹の奈々が四歳である。

伊勢宗瑞(北条早雲)は、学問を推奨していたため、小太郎も下働きをする傍らで講義を耳で聞いていた。しかし、彼の賢才は際立っており実のところは講堂にいる誰よりも理解を深めていた。

ある時、寺の和尚から噂を聞きつけた宗瑞が小太郎と話をする。宗瑞は、小太郎の才を認め、軍配者として伊勢家(北条家)の未来を託すことを考え始めるのであった。

足利学校に通うことになった小太郎は、そこで後に武田信玄、上杉謙信の軍配者として勇名を馳せることになる山本勘助、宇佐美定満のである。小太郎も宗瑞から風磨姓を拝し、風磨小太郎と名乗るのであった。

おすすめしたい人

・戦国時代が好きな人へ

戦国好きにはぜひ一読してもらいたい作品です!!

本書はこれらからくる相模の獅子、甲斐の虎、越後の龍の三つ巴の前章に過ぎないのですが、にも関わらず、とても面白いです。

圧倒的な風格を醸し出す伊勢宗瑞をはじめ、柔和で優しい小太郎、地獄から生き延びてきた四郎佐など、それぞれの登場人物のキャラクター立ちが素晴らしく、彼らが会話しているだけで面白いです!!

個人的には、今村翔吾さんの『八本目の槍』が好きな方はきっと本作も好きなんじゃないかなと思っています。

小説の魅力

・登場人物のキャラクター

小説を読んでいる人であれば、誰しもが一度は感じたことがある「この登場人物って誰だっけ?」というあれ。本作では一切ありません。

全ての登場人物のキャラクター立ちが明確なので、登場人物たちの性格と顔立ちが想像できるのでスラスラと読み進めることが出来るのではないでしょうか。

前半部分は、小太郎が勉強しているだけなのですが、それでも十分面白さがあります。

・ロマンある設定

ちょっとネタバレになってしまうんですが、本作では足利学校で、風魔小太郎、山本勘助、宇佐美定満が学友として学ぶことになります。

フィクションと分かっていても、ここの場面は熱いものがあります。彼らがそれぞれの主君のもとでいずれ花を開かせることになるのですから。

関東を舞台に、三人の軍配者がしのぎを削るのが楽しみで次作も一気読みしてしまうのではないでしょうか。本作は『早雲の軍配者』として小太郎が主人公でしたが、『信玄の軍配者』『謙信の軍配者』と続くので、タイトルから内容に期待してしまいます!!

まとめ

『早雲の軍配者』は個々のキャラクターが立っていて、読みながら楽しめる作品になっていると思います。読み進めていくと、好きなキャラクターの一人や二人出来ているのではないでしょうか。

本作が面白ければぜひ続編の『信玄の軍配者』『謙信の軍配者』もおすすめです!!

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