はぐれ長屋の用心棒 鳥羽亮-庶民派剣豪小説-

時代小説

『はぐれ長屋の用心棒』は2020年12月にシリーズ50巻を突破した同シリーズの第一作です。17年で50巻ですからこれまた速筆な小説家ですね。

なぜ、こうも人気時代小説家のみなさんは筆が速いのでしょうか。もしかしたら、筆が速くないと生き残れないのかもしれませんね。ちなみにWikipediaによれば、以下のようにあるので、10年で200冊刊行していることになりますね。これは凄い...

2007年6月には、著書100冊突破を記念して、『剣豪たちの関ヶ原』を出版した。2012年に第1回歴史時代作家クラブ賞「シリーズ賞」を受賞。2017年2月下旬の時点で、著作数は300冊を超えている。

Wikipediaより

それでは、著者である鳥羽亮氏のプロフィールから見て行きましょう!

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どんな小説家?

鳥羽亮(1946-)
埼玉県生まれ。埼玉大学教育学部卒業。
1990年、『剣の道殺人事件』で江戸川乱歩賞を受賞。小説家デビュー。
その後は、推理小説を中心に執筆を行う。
1997年、『三鬼の剣』で時代小説を執筆し、以降は現在に至るまで剣豪ものの時代小説シリーズを多数刊行し、不動の地位を確立した。

鳥羽亮氏といえば、剣豪シリーズだとばかり思っていたので、当初は推理小説に主軸を置いていたことを知らなかったです。いまや押しも押されもせぬ剣豪小説の顔役ですが、小説家として活動していくうえで辿り着いた形が今の姿なんですね。

概要

食いつめ牢人や無宿者など、世間からのはぐれ者が多く住むことから呼ばれている「はぐれ長屋」。息子夫婦に家を譲り、長屋暮らしている華町源九郎はある日、路上で立ち尽くしていた一人の子供を引き取る。

子供を狙って次々と現れる刺客の背後には、旗本のお家騒動があり...

おすすめしたい人

・鳥羽亮氏の作品をはじめて読む人
時代小説というジャンルには多くの小説家がいるので、その中から一人の小説家を選ぶのも一苦労です。しかし、小説家を一人選べたとしても今度は著者の数ある作品のなかから一冊を選ばないといけません。鳥羽亮氏の著作も既に300冊を超えていますからね...

そんな中で、『はぐれ長屋の用心棒』は一冊が比較的短くて、物語としても読みやすい構成になっています。加えて、著者の代表作でもありますので「何から読んだらいいのか分からん」という人には是非おすすめしたい作品です!

小説の魅力

・老年、はぐれ者たちの活躍
本書で、光を浴びるのは長屋でその日暮らしをしている庶民たちであり、主人公は現役を引退した老年武士でもあります。庶民の活躍を描いた作品であることから、多くの読者にとって近い目線で物語に共感しやすいのではないかと思います

日頃、あぶれ者として生きている者達の活劇、理屈抜きで応援したくなると思います。

・庶民の幸せ
本書では、武家のお家騒動を背景に物語が進んでいきます。名家だからこそ起きるお家騒動、時には子供でさえも命を狙われては、名家も楽ではありませんね。
一方で、「はぐれ長屋」下世話で遠慮もなくと、そんな点は否めませんが、わりかしそれぞれが楽しそうに助け合って生きています。名家ではありませんから、自分を縛るものはお金ぐらいなものでしょう。

「名家ゆえの苦労、庶民ならではの幸せ」
一つそんな見方をしてみても本書は楽しめるのではないかなと思います!

まとめ

『はぐれ長屋の用心棒』は2020年12月において、シリーズ50巻も刊行されている人気シリーズの第一作です。引退した老年武士の矜持がきらりと輝く爽快感と円熟さが魅力的な小説になっています。鳥羽亮氏の作品を読んでみたい!と思った人にはまず薦めたい作品ですね。

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