北条氏康 二世継承篇-偉大なる父のあと- 富樫倫太郎

時代小説

軍配者シリーズ・北条早雲シリーズファン待望の、北条サーガ第三弾『北条氏康』

全5巻からなり、本作は第1巻の二世継承篇!

北条サーガとは?

北条早雲による北条家の勃興から小田原攻めによって滅びるまで、五代にわたって関東の覇者として君臨した”北条家”を描くシリーズ作品。北条早雲シリーズ、軍配者シリーズが既刊となっている。

現在時点(2021年11月)では、『北条氏康』にて北条早雲の跡を継いだ北条氏綱、氏綱の跡を継いだ北条氏康が描かれている。

詳しくは以下の公式ページをご覧ください。

北条サーガの世界|北条サーガ|特設ページ|中央公論新社
富樫倫太郎さんの人気シリーズ「北条早雲」「軍配者」「北条氏康」<北条サーガ>の特設サイトです。

戦国ファン、特に北条ファンにとっては必読のシリーズです!!

スポンサーリンク

どんな小説家?

富樫倫太郎 1961年、北海道生まれ。98年に第四回歴史群像大賞を受賞した『修羅の跫』でデビュー。「陰陽寮」シリーズや「妖説源氏物語」シリーズなどの伝奇小説、『蟻地獄』『堂島物語』などの時代・歴史小説、警察小説『SRO 警視庁広域捜査専任特別調査室』など、幅広いジャンルで活躍している。

『早雲の軍配者』著者紹介文より

概要

北条早雲亡きあと、当主の座を継いだのは北条氏綱だった。偉大なる父に劣らず領土を拡張していく氏綱。安泰に見えた北条家であったが、一つの不安材料があった。

それは、氏綱のあとを継ぐ予定の伊豆千代丸のことであった。父や祖父とは異なり、剣の腕は全くで、外遊びよりも同世代の女の子と遊ぶことを好む。

そんな後継ぎの頼りなさに北条家の面々は不安とともに愚痴をこぼしていたのだった。

しかし、伊豆千代丸とはのちの北条氏康であり、武田信玄、上杉謙信を幾度も跳ねのけ北条敬の最盛期をつくり、後世にも名君と評される。

繊細で弱い千代丸がいかにして名君となりえるのか、二世継承篇では少年期から初陣を果たす青年期までが描かれる。

小説の魅力

・若君の成長

少年期の千代丸は幼く小さく女々しいです。それはもうとても可愛いのですが、どうにも君主や当主という言葉には程遠い存在のように思えます。

千代丸が北条家を託せる跡取りとなるまで、たくさんの大人たちが頭を悩ませまることになります。それでも、千代丸は二人の学友、優秀な師匠のもとで、少しずつ成長していきます。

少年千代丸から青年千代丸になっていく過程で、彼の持つ繊細さやか弱さが次第に柔和さや優しさに変わり……

『早雲の軍配者』における小太郎も健気でかわいいのですが、『北条氏康』における千代丸には自信のなさと繊細さと優しさが相まった違った意味でのかわいさがあります!

本書を読めばきっとあなたも千代丸に金時を作ってあげたくなるはずです笑

・偉大なる父の跡を

初代である北条早雲と、三代目の北条氏康があまりにも有名すぎるせいで、二代目である氏綱はその陰にかくれがちですが、本作では彼の活躍がメインで書かれることになります。

偉大なる父の跡を受けるプレッシャーは千代丸以上に感じていたことでしょう。それでも、氏綱は戦、外交、内政においても非凡なものをみせ、関東中から存在を気にされるだけの大物になっていきます。

戦に大敗し窮地に立たされることもありますが、偉大なる父のあと、北条家を躍進に導いた氏綱の功績は疑いようがありません。

父としては千代丸に厳しいことも多いですが、子煩悩なところが溢れているのがまた微笑ましいところでもあります笑

まとめ

『北条氏康 二世継承篇』では第一巻にふさわしく伊豆千代丸としての少年時代から成長が描かれていきます。

きっと「はじめてのおつかい」を見るような感覚で千代丸君を応援しているはずです!!

第二巻『北条氏康 大願成就篇』にも期待ですね。

コメント

タイトルとURLをコピーしました