「羽州ぼろ鳶組」シリーズと双璧を成すもう一つの人気シリーズが、「くらまし屋稼業」シリーズです！
くらまし屋とは三人の抜きんでた才能をいかして依頼者の姿をくらます仕事を行っています。キャラクター性が豊かであり、ヒーロー性のあるエンターテイメントして楽しめます！！
どんな小説家？
今村翔吾 1984年京都府生まれ。滋賀県在住。「狐の城」で第23回九州さが大衆文学賞・大賞・笹沢佐保賞を受賞。デビュー作『火喰鳥 羽州ぼろ鳶組』で2018年、歴史時代作家クラブ・文庫書き下ろし新人賞を受賞。同年、「童神」で第10回角川春樹小説賞を受賞。
『童の神』著者紹介文より
エンターテイメント性が抜群で、圧倒的な引力で物語が駆け抜けていきます。正直にどの作品を読んでも面白いので、歴史好きな人であればぜひおすすめしたいですね。ここ数年の時代小説というジャンルでは最も人気のある小説家かと思います。
概要
日本橋周辺に存在すると囁かれる存在がある。「くらまし屋」、何しろ依頼者の姿を完全に消し去り、新しい人生を始めることが出来るのだという。
一体何者なのか？姿形、本拠も定かではない彼らの正体やいかに。
小説の魅力
・三人の魅力
主要人物である三人が魅力的ですね。頭領格で武芸百般に精通する平九郎、天才美女軍師の七瀬、美男子で変装の天才である赤也。
個性だった三人の才能はくらまし稼業で遺憾なく発揮され、彼らの才がいかに凄いかを痛感させられます。
また魅力なのは、三人の関係性と性格や生活にもあるでしょう。今村作品といえば、抑圧されていた人間の反抗や逆襲というテーマも多いですが、本作に限れば三人は結構満足な生活を送っています。
よって、日常パートでは三人の愉快な関係性に思わず楽しくなるシーンがあります。
一方で、くらまし稼業の時にはきっちりと仕事をこなす。緩急があり、今村作品にしては「喜」の色が強い作品で、とても楽しく読むことが出来ました。
・これからまだまだ面白くなる予感
解説でも書かれていましたが、本作はいわゆる登場人物の顔みせの色が強く、くらまし屋の過去や平九郎の真の目的、黒幕に関しては謎に包まれる部分が多いです。
なので、これからはよりシリアスで緊張感のある展開が待っているのでしょう。
現在時点で既刊の作品は七巻、これからどんな展開が待っているのか、本作の読者であればその続きが楽しみで仕方ないはずです！
まとめ
くらまし屋稼業は三人の卓越した才能が光るヒーローエンターテイメントです。
謎も多いので、この先の展開はまだまだ分からないですね。
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