剣客商売 池波正太郎-暮らしと剣の達人-

時代小説

池波正太郎三大シリーズといえば、『鬼平犯科帳』『仕掛人・藤枝梅安』と、
そして本作『剣客商売』です。

主人公である・秋山小兵衛は普段は余生をつつがなく暮らす老人でありながらも、剣を手にしたときは、熟練の剣士へと変わります。

剣士としての魅力と、ゆるやかな老後を満喫する日々が対照的で非常に面白い作品です!

また、小兵衛をとりまく人物たちが魅力的であることもまた魅力の一つかもしれませんね。

2021/4現在では、BSフジでシーズン3が再放送しているので、そちらもチェックしてみてください!!(同じく鬼平犯科帳のシーズン3もやってるよ!)

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どんな小説家?

池波正太郎(1923-1990) 東京・浅草生れ。下谷・西町小学校を卒業後、茅場町の株式仲買店に勤める。戦後、東京都の職員となり、下谷区役所等に勤務。長谷川伸の門下に入り、新国劇の脚本・演出を担当。1960年(昭和35年)、「錯乱」で直木賞受賞。「鬼平犯科帳」「剣客商売」「仕掛人・藤枝梅安」の3大シリーズをはじめとする膨大な作品群が絶大な人気を博しているなか、急性白血病で永眠。

『剣客商売』著者紹介文より

司馬遼太郎、藤沢周平とともに「一平二太郎」と称された超人気小説家です!

3大シリーズもさることながら、NHKの大河ドラマにもなった「真田太平記」など数多くの小説があります。

テレビドラマとして池波正太郎原作の時代劇は人気作品であり、特に3大シリーズは今でも数多くの作品を見ることができます。

2021/4現在だと、BSフジで中村吉右衛門主演の『鬼平犯科帳』、藤田まこと主演の『剣客商売』が放映されています!
自分も遅ればせながら観ていますが、なかなかに面白く気づけば毎週見てしまっています笑 まあコンプライアンス的に今ではいけない表現もありますが、そこは見る人次第でしょうしね。

自分としても思い出の作家で、叔母の部屋にあった「真田太平記」を中学生の時にたまたま読んだのが初めてで、それがその後戦国小説を読むきっかけとなりました。

今回読んだ『剣客商売』は池波作品10年ぶりでしたが、のんびりした日常と剣客となった時の空気感がガラっと変わるのが良いなと思いました。

緊張感でいうと、常に危機的な状況にあった真田家とは違って全体的に安心感がありましたね笑(当時は真田家の歴史をあまり知らなかったので、余計に緊張感がありました汗)

概要

剣に生きた秋山小兵衛は隠居後、40歳下の女子を後妻に迎え、悠々自適な暮らしをしていた。息子の大治郎は道場を継がせ、つつがない日々に見えるものだが、事件とは前触れなく起きるものであった。

年を重ねた熟練剣士の技がきらりと輝く、吉川英治文学賞受賞の人気シリーズ第一作。

おすすめしたい人

・時代小説で迷っている人へ

時代小説を読みたいけれど、何から読もうかな?と迷っている読者の方へ!
本書をぜひおすすめしたいです!

魅力1

おすすめ理由の一つとしては、第一にキャラ立ちが素晴らしいことにあります!!

解説にも書かれていましたが、小兵衛と大治郎、剣士である三冬とおはるはすごく対照的なんですよね。

小兵衛は悠々自適な日々を送る毎日で、40歳も下の女子を後妻に迎えるような人です。
一方で、大治郎は今まで体を通わしたことがなくただ剣の道だけに生きています。

おはるは、小兵衛の後妻になる町人の娘で、包容力とゆるい雰囲気が特徴的です。
一方で、佐々木三冬は、老中・田沼意次の側妾として生まれ、父の政治のありかたを疎ましく思い、剣の道に生きています。普段は男装をして過ごしていることも特徴的です。

さらっと主要な四人の登場人物を説明でしたが、これだけでも多様なキャラクターが出ていることがよくわかるかと思います。

自分は好々爺でスケベ爺で、剣がめちゃ強い小兵衛が好きですが、40も下の女子に手を出すなんて生理的に無理!という意見もありそうですね笑

そして、敵役も含めて魅力的な登場人物が多く出ることもポイントですね。

剣客として命をかけた仕合に心を燃やす者や、金を得るために暗殺を企てる者まで、一話ごとに敵役の姿も様々です。

気概のある剣士から典型的な小悪人まで、敵役を幅広く取り揃えていることも、秋山小兵衛・大治郎父子の魅力を立たせ、ひいては読者を満足させる要因の一つなのでしょう。

魅力2

『剣客商売』、もう一つの魅力がそのタイトルにあります。

タイトルにある『剣客商売』とは太平の世にあった江戸時代において、剣の腕で飯を食べるものたちを指しています。

そのためには、戦いに勝ち残っていかなければならないし、倒した相手の数だけ人からの恨みを背負う運命にあります。

命を張って生きる世界の、哀愁、時に爽快感。これらが剣客商売の魅力でしょう。

まとめ

『剣客商売』は池波正太郎氏の代表作であり、多くの映像作品とともに今日まで人気を博している作品です。多様なキャラクターと剣に生きるもの覚悟が魅力的な作品になっています!

次回の池波作品は『鬼平犯科帳』を紹介する予定です!それでは。

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